インゼルサラブレッドクラブという一口馬主クラブの発足が2021年9月8日(水)発表されました。
一口馬主バブルの絶頂でもある現在、競馬ファンからの馴染みのあるキーファーズが始めるとの事で注目される存在でしょう。
キャロットクラブの申込み日翌日の公表ですから抜かりないプロモーションですね。笑
ホームページに詳細が記載されてます。
今回は募集馬とインゼルファンファンドという特殊な募集方法について確認してみます。
募集方法
500口、50口募集
画像は公式ホームページより引用
こちらは従来式のオーソドックスなスタイルですね。
入会金11,000円は比較的安価
50口会員2,980円はほぼ相場通り
500口会員1,980円は割安感はありますが、募集頭数を考えたら妥当でしょうか
口数ごとの設定は珍しいですね。
Insel Fun Fund 2021（IFF）
画像は公式ホームページより引用
募集馬全19頭のうち、50口募集の4頭を除いた15頭のパッケージ商品ですね。
ノルマンディーにスターズファンドという似たパッケージがありますが、門戸を広げたローリスクローリターン商品でしょう。
一口18,440円は損得なく15頭の募集総額を50で割った金額ですので
15頭全ての馬の1/25000口分の権利を持つという事ですね(計算あってるかな？)
個人的な感想は流行らなそう。
初期のDMMと同じ層が狙いでしょうかね。ウマ娘影響もありこれでも一定数は売れるんでしょうね。
私もそうですが、従来の一口馬主の人は興味がなさそうですが、ローリスクローリターンで一口始めたい人にはちょうど良い商品かもしれません。
募集馬
今回発表された一次募集という名前で良いのか分かりませんが、募集馬のリストは全19頭。
その内5頭がマル外という事は、4頭に1頭以上は海外種牡馬という比率になるので、他にないキーファーズらしいラインナップといえます。
エネイブルの甥など馬質も多彩です。
500口募集
1・ヴィニーの20(牡)
父ロードカナロア
総額4500万円(1口9万円)
祖母コケレールはサンタラリ賞(仏G1)の勝ち馬
2・チカリータの20(牝)
父マインドユアビスケッツ
総額1500万円(1口3万円)
祖母サルスエラはヴィルシーナやシュヴァルグランの母ハルーワスウィートの半妹
3・エレクトラレーンの20(牝)
父ハーツクライ
総額2400万円(1口4.8万円)
エレクトラレーンは独1000ギニー(独G2)の勝ち馬
4・プラスヴァンドームの20(牝)
父ロードカナロア
総額3800万円(1口7.6万円)
半兄Style Vendome(スタイルヴァンドーム)は仏2000ギニー(仏G1)の勝ち馬
5・スカイダイヤモンズの20(牡)
父ハーツクライ
総額6000万円(1口12万円)
スカイダイヤモンズは米国で24戦10勝。グレートレディエムS(米G2)等重賞3勝
6・スターズアンドクラウズの20(牡)
父ジャスタウェイ
総額2400万円(1口4.8万円)
母の半姉Moonlight Cloud(ムーンライトクラウド)はムーンランドロンシャン賞(仏G1)等G1を6勝含む重賞10勝
7・エレクトラムの20(牝)
父ダイワメジャー
総額1800万円(1口3.6万円)
エレクトラムはジョンCマビーハンデキャップ(米G2)の勝ち馬
8・オセワイフの20(牡)
父サクソンウォリアー
総額3900万(1口7.8万円)
祖母Nasmattの半弟kheleyfはジャージーS(英G3)の勝ち馬
9・ビウィッチドの20(牝)
父サクソンウォリアー
総額3900万(1口7.8万円)母ビウィッチドはバリーコーラスS(愛G3)など重賞4勝
10・チリエージェの20(牡)
父ハーツクライ
総額5600万円(1口11.2万円)
半兄にセントウルS(G2)勝ちなどがあるハクサンムーン。セレクトセールで4800万で落札
11・ルーシーブライドの20(牡)
父イスラボニータ
総額1600万円(1口3.2万円)
近親にストレイトガール(ヴィクトリアM(G1)連覇など)
12・ユイフィーユの20(牝)
父ルーラーシップ
総額1600万円(1口3.2万円)
13・ラヴアンドフェイスの20(牝)
父ロードカナロア
総額2600万円(1口5.2万円)
半兄Super SermonはナシュアS(米G2)2着
14・シャブリの20(牡)
父モーリス
総額2200万円(1口4.4万円)
曽祖母シビルの産駒にジャスタウェイ
15・ブーケトウショウの20(牡)
父ハーツクライ
総額2300万円(1口4.6万円)
祖母マザートウショウは函館3歳S(G3)など重賞3勝
50口募集
16・ラルクの20(牝)
父Frankel
総額5000万円(1口100万円)
ラルクの半妹にラッキーライラック
17・フリーティングスピリットの20(牡)
父キタサンブラック
総額1億2500万円(1口250万円)
フリーティングスピリットはジュライC(英G1)等重賞4勝。本馬は2020セレクトセールで1億2100万で落札
18・ブラッサムドの20(牝)
父Justify
総額8000万円(1口160万円)
19・コンシダレイトの20(牡)
父Nathaniel
総額5000万円(1口100万円)
祖母Concentricの産駒にエネイブル
エネイブルとは3/4同血
関係者の声
○吉田照哉氏（社台ファーム代表）「競馬を愛し、世界での活躍を目指す新たなクラブの誕生にたいへん注目していました。その最初のカタログに社台ファーム生産馬が2頭もリストアップされたことはとても光栄なことであり、ご期待に添えうる良質な若駒をご用意させていただきました。これからも同業他社の垣根をこえて協力し合い、競馬サークルの発展に貢献していきたいと思います」
○吉田勝己氏（ノーザンファーム代表）「このたびの門出の募集にノーザンファームの生産馬をラインナップしていただき感謝いたします。厳しい情勢の中ではありますが、私たち生産者は強い馬づくりを停滞させることなく日々邁進しています。また幅広い方々に競馬の楽しみや魅力を伝えていくことも使命と考えており、その中で新たなクラブ法人の発足は心強く感じています」
○J・マグナー氏（クールモア代表）「全世界に猛威を振るったコロナウイルス。しかし日本では無観客の時期がありながらも1度も滞ることなく競馬が開催されており、改めて日本競馬の底力を見た気がしました。その日本で我が生産馬が走ることにとても興奮しています。ジャスティファイ、サクソンウォリアー、ともに初年度産駒ですが、今までにない成績を上げてくれると信じています」
○松島正昭氏（キーファーズ代表）「御クラブの”世界に通用する馬の輩出”といった理念に共感を覚え、キーファーズ所有馬からラルクやヴィニーといった現役時代、私の夢を背負って走った馬たちの子供をラインナップに加えていただきました。”凱旋門賞を勝つ”という私が常に目指してきた夢を会員の皆様と共有できることはこのうえない喜びです」
○武豊騎手「インゼルサラブレッドクラブ設立おめでとうございます。新しいクラブの誕生は競馬界にもファンの皆様にとっても喜ばしいことではないでしょうか。私たちジョッキーは愛馬を勝利に導くべく人馬一体となってゴールを目指し、皆様の夢に貢献できるよう頑張ります」
○C・ルメール騎手「日本だけでなく海外の良血馬も揃っていてとても魅力的なラインナップですね。レースで勝利し、会員の皆様とウイナーズサークルで喜びたいです」
○L・デットーリ騎手「クラブ発足おめでとうございます。初年度の募集馬にはエネイブルの甥もいると聞いています。いつかクラブの馬に騎乗できる機会を楽しみにしています」
○R・ムーア騎手「サクソンウォリアーの子が日本で走ると聞きました。彼はとても勇敢な馬でした。産駒にもいい影響を与えてくれるでしょう。また日本で皆様にお会いできることを楽しみにしています」
結論
個人的には「見」です。
一口馬主での収支を考える上で「月会費」というのは重要なウェイトであり、私自身、社台＆サンデーとキャロットクラブの3クラブ(月会費は2クラブ分)でシルクすら月会費が惜しくて入ってませんので、ここで増やす選択肢には至りません。
それでもあえて選ぶなら「500口会員」ですね。月会費1980円は高くはないですし馬質もそこそこ揃っている印象です。
パッケージのIFFは流行らない気はします。DMMの超大口の前例もありますし。
ただオススメ出来る層としては「1/400口などの一口馬主はお金がかかるしやらないけど、一口馬主に興味はあるから遊び程度にやろうかな」という初心者の方にはピッタリなファンドかもしれません。15頭もいれば出走機会もそれなりにあるでしょうしね。
実際は私のように数百万以上一口馬主に費やすより、IFFのようにローリスクローリターンで遊び程度に一口馬主に付き合うのが経済的には1番かしこいと言えるかもしれません。笑
まぁそれでも私はリスクを背負ってハイリターンを狙うしょうもないアホなんですが。
誰かしら周りでインゼルサラブレッドクラブに入るでしょうから知人の話を聞きながら、遠くから新クラブの発展を祈りたいと思います。