突如キャロットクラブ募集に現れたクオリティロード産駒の2頭。しかも最高価格タイの8000万募集!
私同様に「待って、クオリティロードって誰!?」となった人も多いのではないでしょうか。
私見ですが一口馬主界隈では昨年のグレナディアガーズ(父Frankei)、シュネルマイスター(父Kingman)がG1を勝ち、なんとなく「外国産種牡馬への期待値」が市場として高いタイミングなのかな、とも思います。
ここではクオリティロード産駒をキャロットクラブ2021年募集馬の2頭を中心に私なりに考察していきたいと思います。
クオリティロードは誰なのか。
※募集馬カタログより
ポイント
・勝ち星はダート6.5f~9f
・2021年8月25日現在、米国リーディング21位(BLOODHORSE参照)
・エスポワールシチーがピーク時に挑んだBCクラシックに出走しており、エスポワールシチーは10着、クオリティロードは12着(最下位)だった。
・米国では種牡馬として成功しており、種付け料は年々増加。
初年度3.5万ドル
2018年7万ドル
2019年15万ドル
2020年20万ドル
2021年15万ドル
元々は種牡馬としての期待値は高くなかったが産駒の活躍によりブレイクした感じは、さながら日本のステイゴールドのような立ち位置と感じた。
産駒の傾向を考察
クオリティロード自身はGone West系種牡馬。日本ではクオリティロード産駒のサンプルは少ないながらも下記のような成績となっています。
産駒の日本(中央)での成績
全成績【7.11.2.41】勝率11.5%
芝【0.0.0.5】勝率0%
ダート【7.11.2.36】12.5%
ダート1400m 1勝
ダート1700m 1勝
ダート1800m 3勝
ダート2100m 1勝
ダート2400m 1勝
米国でのクオリティロード産駒には、シティオブライトやエイベルタスマンなど多数G1馬を輩出しており、G1勝利の距離分布はダート7ハロン~9ハロンが多いです。早い時期からの活躍馬も目立ちますが、シティオブライトは5歳時にペガサスワールドCを勝っています。それでも日本で他の種牡馬と相対的にみると早い時期から仕上がるのがストロングポイントとなりそうです。
適正距離を整理するとダート1400-2100mで1800m前後の中距離で勝ち星が目立ちます。
芝は現状掲示板も無し。当然産駒はダート向きとなるでしょう。
ここからはキャロットクラブ2021年募集の2頭を考えていきます。
フォトコールの20(牡)
フォトコールについて
母のフォトコール(Photo Call)は2011年アイルランド産。
通算成績は22戦6勝で、4歳時にBCフィリー&メアターフの前哨戦にあたるロデオドライブS(米G1・牝馬限定・芝10f)を勝ち、5歳時にこちらもBCの前哨戦ファーストレディS(米G1・牝馬限定・芝8f)を勝つなどG1の2勝を含む重賞4勝。勝ち鞍は7f~11f
フォトコールの母母Cassandra Goからは愛1000ギニー、ナッソーS勝ちのHalfway To Heaven(父Pivotal)やタタソールズゴールドカップ、愛チャンピオンS連覇などのマジカル(父Galileo)等が出ています。
フォトコールもGalileo産駒ですので、マジカルとは3/4同血となりますので良血の繁殖ですね。
Northern Dancer 3×5・5・5と濃いめのNDクロスも特徴的です。
血統
短評
Gone West系種牡馬の産駒で日本での活躍馬と言えばタワーオブロンドン(父Raven's Pass)、モズスーパーフレア・マテラスカイ(父Speightstown)、インティ(父ケイムホーム)など短距離やダートなど、日本の主流血統とは異なるカテゴリでの活躍をしています。
本馬は特にタワーオブロンドンと血統構成が近似しており、Gone West・Miswakiを経由したMr.Prospectorのクロス、Hero's Honor・Sadler's Wellsを経由したNorthern Dancerのクロスと一致しており、日本の血を持たずに同インブリードでの活躍はポジティブに材料です。
本馬はGoneWestが主張されそうであり、仕上がりは速そうです。
先に挙げたGoneWest系種牡馬産駒の特徴を見ても瞬発力より、米国的なスピードの持続力を活かした競馬で光りそうで、芝にもダートにも適正は転びそうな血統背景ですが、馬体や尺を見ると芝に出そうですね。
ただなんと言っても気軽に「一般で申し込むかねー」とは言い難い価格設定。厩舎も含め私は遠くから本馬の動向を見守る事にはなりそうです。
ウィープノーモアの20(牝)
ウィープノーモアについて
母ウィープノーモア(Weep No More)は2013年米国産
通算成績は11戦3勝で、ケンタッキーオークスの前哨戦のアシュランドS(米G1・3歳牝・ダート8.5f)を勝利。ケンタッキーオークスは5番人気で出走しCathryn Sophiaの7着だった。
2021年はドゥラメンテ産駒の牡馬が誕生しています。
血統
短評
フォトコールは(米)クオリティロード×(欧)フォトコールの組み合わせでしたが、こちらは米国で走らせられるくらいの米国血統。
A.P.IndyにStormCatなどお馴染みの米血が母系には並び、本馬ももちろんダート狙いの配合でしょう。
血統的にはダートマイルから中距離あたりに適正が出そうで、発表された尺を見ても512kgと牡馬顔負けの体駆です。ただ通説として重賞など上級条件でのダートならやはり牡馬が有利であり、ダート狙いで牝馬というのはネガティブ材料。
ただ将来的な事を考えると、繁殖入りし母系に入れて面白い血統構成ですよね。日本の主流血統種牡馬と相性の良い血を持ってますし。
それを考えて出資するのもこのクラブの楽しみのひとつですし、サンデーサイレンスの血が飽和状態の中でこの米血ですから、その分アワブラへの敷居はまたぎやすいかな?という希望的観測も抱いています。
※データは2021年8月22日終了時点になります。
※キャロットクラブ様より情報転載の許可を頂いております。
※個人的な評価になりますので、出資は自己責任でお願い致します。