キャロットクラブの2022年度募集。カタログ公開期日も迫り、本格的に検討する時期がやってきました。
この記事はカタログ公開直前考察として種牡馬別や募集時人気別などの、馬体や測尺以外の要素でのファクターで出資馬選びのヒントになるデータを抽出してみます。
活躍馬と募集時人気の相関
①活躍馬は募集時に人気があったのか?
ここでは近3年の獲得賞金TOP10の馬と募集時人気の相関について見てみます。
※8月5日時点の獲得賞金を参照
キャロット2020年募集(19年産) | ||
1位 | ナミュール | ×無し最優先抽選 |
2位 | キラーアビリティ | 一般抽選 |
3位 | アライバル | 一般抽選 |
4位 | ジレトール | 一般抽選 |
5位 | カイカノキセキ | 一般抽選 |
6位 | フォラブリューテ | 一般抽選 |
7位 | ソネットフレーズ | 追加募集/抽選 |
8位 | グランディア | ×1最優先抽選 |
9位 | スリーパーダ | ×1最優先抽選 |
10位 | アルトシュタット | 一般抽選 |
キャロット2019年募集(18年産) | ||
1位 | エフフォーリア | 一般抽選 |
2位 | オーソクレース | ×無し最優先抽選 |
3位 | シュヴァリエローズ | 一次残口有り |
4位 | バーデンヴァイラー | 一般抽選 |
5位 | ククナ | 新規抽選 |
6位 | ヴィジュネル | 一次残口有り |
7位 | シャーレイポピー | 一般抽選 |
8位 | モントライゼ | 一般抽選 |
9位 | ストゥーティ | 一般抽選 |
10位 | ルペルカーリア | 一般抽選 |
キャロット2018年募集(17年産) | ||
1位 | レシステンシア | ×無し最優先抽選 |
2位 | レイパパレ | 一般抽選 |
3位 | ベレヌス | 一般抽選 |
4位 | ジュビリーヘッド | 追加募集(再募集) |
5位 | クラヴェル | ×無し最優先抽選 |
6位 | ヴェスターヴァルト | 一般抽選 |
7位 | ヴェラアズール | 一般抽選 |
8位 | ライトウォーリア | 一般抽選 |
9位 | サンクテュエール | ×1最優先抽選 |
10位 | ファーストフォリオ | 一般抽選 |
3世代の上位10頭、合計30頭を対象に見た結果、一般票でも当選できる可能性があった馬が実に23頭でした。見方を変えれば最優先票を投じれば確実に当選する馬が23頭、76.6%の馬にチャンスがありました。
相対的に見ると募集時の人気の分布として、最優先抽選の頭数<一般抽選の頭数となるので、当然と言えば当然の結果ですが「最優先票」がいかに大切かを再認識できます。
②募集時人気した馬は活躍しているのか
次は募集時人気した馬、ここではバツ1最優先抽選以上の馬を対象としてそれらの馬が実際に活躍したのか、先ほどと逆目線で見ていきます。
※8月5日時点の獲得賞金を参照
キャロット2020年募集(19年産) | |||||
馬名 | クラス | 戦績 | 募集時人気 | 母 | 父 |
フラーバック | 未勝利 | 3戦0勝 | ×1抽選 | ルージュバック | ロードカナロア |
パラレルヴィジョン | 2勝C | 2戦2勝 | ×1抽選 | アールブリュット | キズナ |
グランプレジール | 1勝C | 4戦1勝 | ×1抽選 | バウンスシャッセ | モーリス |
パーカッション | 1勝C | 5戦1勝 | ×1抽選 | ティンバレス | イスラボニータ |
ヴァーンフリート | 1勝C | 6戦1勝 | ×1抽選 | ロスヴァイセ | リオンディーズ |
グランディア | 2勝C | 7戦2勝 | ×1抽選 | ディアデラノビア | ハービンジャー |
スリーパーダ | 2勝C | 4戦1勝 | ×1抽選 | シンハリーズ | ミッキーアイル |
キャロット2019年募集(18年産) | |||||
馬名 | クラス | 戦績 | 募集時人気 | 母 | 父 |
グランワルツ | 未勝利 | 6戦0勝 | ×1抽選 | バウンスシャッセ | ロードカナロア |
ヴェックマン | 未勝利 | 2戦0勝 | ×1抽選 | マルティンスターク | ミッキーアイル |
ディオスバリエンテ | 1勝C | 8戦1勝 | ×1抽選 | ディアデラノビア | ロードカナロア |
アルマドラード | 2勝C | 8戦2勝 | ×2抽選 | ラドラーダ | ダイワメジャー |
アークライト | 未勝利 | 11戦0勝 | ×1抽選 | ヒストリックスター | ディープインパクト |
リエヴェメンテ | 未勝利 | 4戦0勝 | ×1抽選 | ヒルダズパッション | ドゥラメンテ |
ヴェルナー | 未勝利 | 7戦1勝 | ×1抽選 | アディクティド | キングカメハメハ |
キャロット2018年募集(17年産) | |||||
馬名 | クラス | 戦績 | 募集時人気 | 母 | 父 |
グレイトオーサー | 2勝C | 13戦2勝 | ×1抽選 | ディアデラノビア | ノヴェリスト |
カイザーライン | 1勝C | 4戦1勝 | ×1抽選 | アヴェンチュラ | エピファネイア |
サンクテュエール | OP | 14戦2勝 | ×1抽選 | ヒルダズパッション | ディープインパクト |
ライティア | 3勝C | 10戦3勝 | ×1抽選 | シンハリーズ | ディープインパクト |
リリレフア | 未勝利 | 4戦0勝 | ×1抽選 | リリサイド | ロードカナロア |
アステロイドベルト | 3勝C | 18戦3勝 | ×1抽選 | サトノジュピター | ルーラーシップ |
現3歳~5歳世代で×1抽選、×2抽選になった馬は合計20頭いてオープン馬はたった1頭と物足りない結果に。勝ち上がり率は65%と水準以上の勝ち上がり率ではあり、現3歳世代もいるのでこれからオープン馬に出世する馬はいるにしても、×1抽選以上というかなりの人気を背負った割にはやや寂しい結果です。
活躍馬と募集時人気の相関 まとめ
結論としては募集時人気と活躍馬はリンクしていないという結果といえます。特に×1以上の最優先抽選の馬は募集時のデキは良くとも、競走馬としての戦績は鬼門となっているようです。
半ばオカルトデータではあるものの、①(活躍馬は募集時に人気があったのか)の結果があるように、バツ無し最優先くらいの馬に申し込むのがデータ的にはちょうど良い感じ。
個人的には今年はバツ1の権利を持っています。バツ1を持っているとどうしても「バツ無しでも獲れるしな、、もう少し人気馬に申し込もうかな」という心理が働きますが、人気具合は気にせず自分が気に入った馬に申込むよう気を引き締めようと思います。
勝ち上がり率で選ぶ
一口馬主をやっていて悲しいのは未勝利引退。単純明快に勝ち上がり率の高い種牡馬を選べばそのリスクを減らせるというざっくりとしたファクターですね。
まずは種牡馬別の勝ち上がり率をみていきます。
※一口馬主DBでの直近10世代の勝ち上がり率を参照、サンプルの少ない種牡馬は除く
種牡馬別勝ち上がり率
種牡馬 | 勝上率 |
ハーツクライ | 47% |
キズナ | 46% |
ドレフォン | 45% |
ダイワメジャー | 45% |
ロードカナロア | 43% |
ルーラーシップ | 39% |
ドゥラメンテ | 39% |
エピファネイア | 37% |
モーリス | 36% |
オルフェーヴル | 34% |
ハービンジャー | 33% |
ジャスタウェイ | 33% |
ミッキーアイル | 31% |
リアルインパクト | 26% |
ハーツクライ、キズナ、ドレフォン、ダイワメジャー、ロードカナロアまでが優秀な勝ち上がり率です。これら5頭の産駒は今回の募集では合計22頭います。
ここではもう少しファクターを絞るべく、各種牡馬 × 母父での勝ち上がり率をみていきます。
例えばハーツクライ産駒ではトータルヒートの21、母父Street Cryとの組み合わせは6頭中5頭が勝ち上がりで脅威の83%の勝ち上がり率。リリサイドの21の母父American Postとの組み合わせは全姉リスグラシューを含め4/6頭で勝ち上がり率は67%、全兄クローヴィズは勝ち上がれなかったものの高水準の数字といえます。
このように先程の5頭の種牡馬の産駒で母父との組み合わせでも加点出来る馬達をまとめると以下の通りになりました。
父×母父高勝ち上がり率の募集馬
No | 産駒名 | 勝上り率 | 勝頭数/出走頭数 | 父 | 母父 | 性 | 出産時母齢 | 生月日 | 毛色 | 生産 | 総額(万) | 一口(万) | 東西 |
54 | トータルヒートの21 | 83% | 5/6頭 | ハーツクライ | Street Cry | 牡 | 10 | 2月21日 | 黒鹿 | 白老F | 7,000 | 17.5 | 西 |
56 | アルアリングスターの21 | 75% | 3/4頭 | ハーツクライ | Exchange Rate | メス | 7 | 4月8日 | 鹿 | ノーザンF | 5,000 | 12.5 | 西 |
55 | リリサイドの21 | 67% | 4/6頭 | ハーツクライ | American Post | 牡 | 14 | 3月28日 | 鹿 | ノーザンF | 10,000 | 25 | 西 |
43 | ビットレートの21 | 67% | 2/3頭 | ドレフォン | スペシャルウィーク | メス | 9 | 1月19日 | 栗 | ノーザンF | 2,800 | 7 | 東 |
10 | ロスヴァイセの21 | 56% | 5/9頭 | キズナ | シンボリクリスエス | メス | 10 | 3月3日 | 青鹿 | ノーザンF | 3,200 | 8 | 東 |
4 | グリューネワルトの21 | 53% | 17/32頭 | ロードカナロア | スペシャルウィーク | メス | 14 | 3月8日 | 鹿 | ノーザンF | 5,000 | 12.5 | 東 |
9 | ザズーの21 | 50% | 1/2頭 | キズナ | Tapit | メス | 13 | 2月3日 | 芦 | ノーザンF | 3,600 | 9 | 東 |
52 | エリティエールの21 | 49% | 38/78頭 | ロードカナロア | ディープインパクト | メス | 7 | 2月5日 | 鹿 | ノーザンF | 4,000 | 10 | 西 |
これらの8頭は父×母父の組み合わせでいずれも高確率で勝ち上がっています。
特筆すべきはキズナ×シンボリクリスエス(ロスヴァイセの21)で9頭とサンプルは多くないながら、ソングライン、アカイイトと2頭のG1馬を輩出した他、現3勝Cのロジーナなど長打力にも長けた組み合わせです。
他にはロードカナロア×スペシャルウィークも優秀。32頭中17頭が中央で勝ち上がっており、サートゥルナーリアの他、グルーヴィット、キングエルメスと重賞馬を輩出。グリューネワルトの21はNureyev≒Fairy King 5×4があり、ロードカナロアのひとつの大成パターンであるNureyevの血をいじくる形になっているのも強調材料です。
2大BMSリーディングから選ぶ
昨年、2021年のBMS(母父)リーディング上位2頭と言えばキングカメハメハ、ディープインパクトの2頭です。
2022年8月現在もこの2頭がワンツーですし、向こう数年もこの2頭がリードしていくでしょう。
この2頭のいずれかを母父に持つ馬は、現3歳世代の獲得賞金上位10頭のうちに2頭、現4歳世代では3頭、現5歳世代は3頭。
3世代の30頭中に実に8頭もいます。シェアで言えば相当に秀逸、母父キングカメハメハ or ディープインパクトの馬から出資馬を選ぶのもありかもしれません。
2022年度募集の母父キングカメハメハ or ディープインパクトの馬
No | 産駒名 | 父 | 母父 | 性 | 出産時母齢 | 生月日 | 毛色 | 生産 | 総額(万) | 一口(万) | 東西 |
21 | スペクトロライトの21 | ニューイヤーズデイ | ディープインパクト | メス | 11 | 1月26日 | 鹿 | ノーザンF | 2,400 | 6 | 東 |
32 | マリアライトの21 | レイデオロ | ディープインパクト | メス | 10 | 2月15日 | 黒鹿 | ノーザンF | 5,000 | 12.5 | 東 |
34 | コナブリュワーズの21 | ミッキーアイル | キングカメハメハ | メス | 11 | 3月19日 | 黒鹿 | ノーザンF | 2,400 | 6 | 東 |
52 | エリティエールの21 | ロードカナロア | ディープインパクト | メス | 7 | 2月5日 | 鹿 | ノーザンF | 4,000 | 10 | 西 |
57 | サトノオニキスの21 | エピファネイア | ディープインパクト | 牡 | 8 | 2月13日 | 黒鹿 | ノーザンF | 5,000 | 12.5 | 西 |
67 | ディアデラマドレの21 | モーリス | キングカメハメハ | 牡 | 11 | 3月9日 | 鹿 | ノーザンF | 6,000 | 15 | 西 |
68 | ペルレンケッテの21 | モーリス | ディープインパクト | 牡 | 13 | 4月14日 | 鹿 | ノーザンF | 4,000 | 10 | 西 |
69 | レネットグルーヴの21 | モーリス | キングカメハメハ | メス | 11 | 1月31日 | 鹿 | ノーザンF | 2,400 | 6 | 西 |
73 | オーマイベイビーの21 | ブリックスアンドモルタル | ディープインパクト | 牡 | 10 | 3月25日 | 鹿 | ノーザンF | 6,000 | 15 | 西 |
75 | アロマドゥルセの21 | ハービンジャー | ディープインパクト | 牡 | 7 | 3月7日 | 鹿 | ノーザンF | 3,600 | 9 | 西 |
86 | ローズノーブルの21 | ドレフォン | ディープインパクト | メス | 12 | 3月21日 | 黒鹿 | ノーザンF | 2,800 | 7 | 西 |
理屈で言えばこの11頭中、2~3頭はこの世代の獲得賞金上位馬となる、というわけですね。
出資を検討している馬の母父がキンカメ、ディープであれば加点材料になると言えます。